あいのり投資 一生お金の不安から解放される億万長者の投資術

年金も自分でどうにかする時代

みなさんは年金についてどう思いますか。この質問にたいしてほとんどの人が、「あてにならないね」「心配だ」といった反応をされると思います。そのあらわれが若人に広がっている、年金の掛け金をかけないという、ある意味彼らなりの反抗の意思表示なのでしょう。年金が破綻するかどうかはともかくとして、今はっきりしているのは、支給開始年齢がどんどんあげられていくということ、さらには支給額が減らされていくということでしょうか。

今年ロシアでも年金の支給年齢を上げることで大騒ぎになり、あのプーチンでさえ支持率が大幅に低下しました。各国が年金改革に追い込まれる最大の理由は、運用成績の悪さもありますが、それよりも人口構成の変化です。地球上の多くの国で、年金を積み立てる人よりも、年金を受取る人の比率が上がって来ています。ですから、支給開始年齢をどんどん上げていかないと、バランスが取れないのです。

このことに対して「何か自分で対策していますか?」とたずねても、ほとんどの人が「何もやっていない」「忙しくて考える暇がない」といった状態が実際のところでしょう。年金の対策は国の仕事であって、自分のやることでないという気持ちもあるかもしれません。でも、だれも助けてくれません。実際、国も企業も、自らの責任を少しずつ放棄し、我々にその責任を押し付けつけてきているのですから。

運用が難しい時代へ

この本を手に取られた方には、金融機関に頼らず、自分で勉強して運用しようというたくましい人も多いと思います。ただ、残念なことにこれからは運用が難しい時代になります。逆に言うと、今までは本当に運用は簡単でした。少し勉強した人は良くご存知でしょうが、安い費用のインデックスファンドやETFを活用して、国内外の株と債券にそれぞれ4分散投資をするのが正解というようなことが、ほとんどの金融本に書かれています。過去30年ほどは、まさにそのような手軽な運用方法が正しい時代だったのです。

しかし、残念ながらその流れが逆流しようとしています。金利低下を招いた主因は何か。もちろん21世紀に入ってからは度重なる金融危機に対する金融緩和が直接的な原因ですが、より長期的に見て私はその大きな原因が冷戦終結後に発展していったグローバリゼーションだったと思っています。ここへ来て、アメリカのトランプ大統領に代表される関税強化や、多くの国での移民に対する圧力の強まりなど、行き過ぎたグローバリゼーションによる問題が表面化し、その反動が強まっています。また、高齢化が進む中で、年金を積み立てる人間より、受け取る人間が増えるということは、金融市場からお金が出ていく時代になります。

本文のなかで「コンセンサス」は避けるべきだとの主張をしていますが、今最大の「コンセンサス」は金融本で正解とされているインデックスファンドやETFです。あまりにも多くの人が持ち過ぎています。つまりインデックスファンドやETFがバブルになっているということで、これらを所有するリスクが増大しているといえるでしょう。

本当に良い情報は流れていない

問題は、じゃあ運用が難しいから預金で置いておこうと思っても、この超低金利の時代、それでは将来必要な額の年金が確保できません。こんな時代は、良いものと悪いものの差が大きくなる時代ですから、血眼になって本当に良い投資対象を選びぬかねばならないのです。ただ、皆さんがいくらネットを駆使しても良い情報を得ることはほとんど不可能でしょう。そもそもネットには本当にいい情報はほとんど流れていないのです。

「うそだろ!」と思う人もいるかも知れませんが、本当に良いレストランや腕のいい医者を考えてみてください。彼らにはすでに既存の顧客が充分いるので、新たにネットやテレビで宣伝する必要はありません。むしろ、どんどん新しいお客様が押し寄せたら、既存のお客様に迷惑がかかってしまいます。ですから、出来るだけ情報発信をしないようにしています。ネットやテレビに流れている情報は、お金をかけないと売れないサービスや商品がほとんどなのです。しかも既存の金融機関を訪れようものなら、それこそ彼らの餌食になるようなもの。彼ら自身が絶対買いたくないと思っている商品を売りつけられてしまいます。

「それではどうしたらいいの?」その答えがこの「あいのり投資」なのです。本当に優秀な、信頼できる人間が自らの資金を運用しているところに「あいのり」するのです。ただ、残念ながら日本には「あいのり」できる金融サービスがほとんど存在しません。相手が乗ってないものには「あいのり」出来ないですからね。

この本を書いた2つの目的

実はこの本を書くにあたって目的が二つありました。ひとつは、皆さんのように必死に自分の力で解決方法を勉強しようとしている人たちに、究極かつ極上の手段として「あいのり投資」という方法があるということをお知らせしたかったこと。
もう一つは、現在金融機関で働く人たちに、自ら真剣に運用を勉強し、自らの資金を運用する中で得られたノウハウを、多くの方に提供すべく独立を目指して欲しいということです。
証券会社や銀行の中にも、現状の問題に気づいて、何とか勉強して、本当にお客様のためにと思って努力されている人も必ずいるはずです。かれらに「あいのり」出来る金融サービスを創って欲しいのです。まるで競争相手がどんどん増えることを望んでいるようで、奇妙に思われるかもしれませんが、どうしてそのように思うかをご説明しましょう。

私の運営する投資信託の会社でも、少しずつですが口コミのご紹介を中心にお客様が増え、お陰様で運用資産も100億を超えてきました。ただ、我々がどう頑張っても、今のやり方では当面は1,000億円が限界だと思っています。というのは本当に良いファンド・マネージャーは限られており、また良いファンドほど、自らのお金を組入れているので、運用しやすいサイズに留めるため、すぐファンドをクローズしてしまうのです。金融商品以外でも、そうでしょう?本当に良いものは大量に生産できませんし、直ぐに買えないものなのです。

ということで、我々もいくらでもお預かりできるわけではありません。1,000億円というと大きい様に思われるかもしれませんが、日本の預貯金1,000兆円の一万分の1にしかすぎません。たった0.01%なのです。ですから、本当に日本の皆様の運用をキチンとしようとすると我々の様な運用会社がなんと10,000社も必要だという計算になります。そういう意味で、今の金融機関のあり方に疑問を持ち、本来あるべき金融サービスを提供したいという志のある方に、どんどん独立し、自らも投資してもらって、「あいのり」出来る投資を増やして欲しいのです。

父を亡くして

個人的なことで恐縮ですが、2016年10月、父が他界しました。86歳でした。大企業を退職した祖父と二人三脚で創業した、圧倒的に存在感のある創業オーナーでした。経営における最も大事な考え方を教わった最大の師であり、また最高の反面教師でもありました。最後の三日間だけでしたが、彼の希望通り病院から私の熱海の自宅に移ってもらいました。最後はやっと聞こえるような声でしたが「感謝、感謝」と皆の手を握りしめて旅立ちました。母の時もそうでしたが、肉親の死というものにはあえて向き合いたいと思っていました。最近は生まれる時も病院、死を迎えるのも病院というケースが多いと思いますが、病院だと大変なこと、汚いことを全てやってくれるので、「生」や「死」というものの実際を体感することがとても難しくなっています。両親の「死」を体感することではじめて「あ~、人間は死ぬんだな。」と実感出来るものだと思うのです。

世の中で本当に確かなものといえば、「生」と「死」。そしてその間にさまざまな出会いがあります。生きている間は、お金や、名誉や、体裁等々、日々どうでもいいことに惑わされる事が多いのですが、最終的に大事なのは、死に直面した時に自分の人生を振り返り「本当に良い人生だったと自分で思えるかどうか」だと思っています。両親の「死」と人生に正面から向き合うことは、自らの「死」も強く意識することになります。そしてそのことが自らの人生をより深く考えることに繋がっていくのです。

少しでも皆様の良い人生に貢献できること、それは我々の人生にとっても素晴らしい出来事であります。我々の「あいのり」投資に、少しでも多くの方々に「あいのり」していただけますように、これからも私自身の人生の生きがいとして、努力してまいりたいと思います。

(『あいのり投資』「おわりに」から抜粋)

多根幹雄

あいのり投資一生お金の不安から解放される億万長者の投資術

あいのり投資
一生お金の不安から解放される億万長者の投資術

多根幹雄 松尾伸弥 著

「一億人の投信大賞 外国株式部門」2年連続第1位(2016・2017年)を獲得した超優良ファンドの運用者がその投資術を全公開!

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投資信託は、値動きのある有価証券等を投資対象とし、基準価額は変動します。したがって、投資家のみなさまの投資元金が保証されているものではなく、
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投資信託は、預金等や保険契約とは異なって、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
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