右往左往

2014年10月17日

平山氏_1.jpg今回はTMAの平山さんのセミナー。ファンド業界きっての理論派だけに期待大だ。特に相場が乱高下している今日、これからの動向が気になるところ。

まずは意表を突く形でアフリカの話から。これからの経済成長に世界から注目が集まる最後の大陸アフリカだが、意外と期待できないという。その理由は、高い人件費と、働く意思のある人間が少ないこと。工場の進出はもちろん、その後、中産階級が育つことは期待薄という。中国の減速がはっきりしてきただけに、長期的には心配なお話。

次は債券ファンドの話。つい先日、世界的な債券ファンド「ピムコ」、なんと運用資産が20兆円と言われるお化けファンドだが、その中心人物ビル・グロースが退社することになり、世界中が大騒ぎになった。1998年のLTCMロシアの債券ファンドの破綻以来、すごいと言われた債券ファンドの危機が、その後金融市場を大きく揺るがす傾向があるという。今回も例外ではなかったということ。

さらに、債券市場がパニックになっているというお話。長期の金融緩和でFRBが債券を買いまくって小さくなっていた債券市場に、今回の株式の急降下で資金が殺到。アメリカの10年物国債も一時は2パーセントを割る事態に。10月15日のわずか1日で0.3パーセントもの金利が下落。

最後が、「フラッシュボーイズ」。なんと10億分の1秒で取引をする恐ろしい集団を表したマイケル・ルイスの小説だが実在するといううわさも。取引所を通さない取引も40%に達しており、市場をかく乱する原因となっている。

 ところで気になる相場だが、アメリカの企業業績の成長が5-10パーセントのところ、市場は10-15パーセント上昇していたわけだから、調整は当然との見方。TMAは20%とたっぷりのキャッシュを持ちながら、安くなったところで買い入れる計画。いつもながら右往左往しない冷静な分析と対応に、皆さん感心することしきりでした。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキアセットマネジメント
代表取締役社長 運用統括責任者
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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