経済の体温計

2017年07月07日

20170707_hirayama.jpg「一番重要な経済指標は何か?」現在のようにネットを含め様々なメディアからあらゆる情報を瞬時に、誰でも、しかもほとんど無料で得られるようになった時代だからこそ、この問いへの答えは難しいかもしれませんね。今世紀のはじめにはプロでも為替情報をポケベルで、高額の費用を払ってチェックしていたのが嘘のようです。

この答えは平山さんによると「アメリカの長期金利(10年)」ということです。実はクローバーの毎月の投資政策会議においても、このアメリカの長期金利の動向を目安に、長期投資の方針を決定しており、我々にとっても最重要の指標です。健康診断の基本が体温や血圧である様に、まさに「経済の体温計」と言える指標でしょう。

そんな重要な指標ですが、セミナー中に平山さんが日経新聞でこの指標がどこに掲載されているかチュックしようとしましたが、見つかりませんでした。如何に日本を代表する「経済」の新聞が、経済のことを理解していないかが良くわかるエピソードです。私も日経新聞に毎朝、目を通しますが、裏面から、そして下の小さい記事から見るようにしています。目立つ所の記事は、皆のコンセンサスが何処にあるかの目安にしています。またトランプ大統領を見習う訳ではありませんが、記事は40-60パーセントが嘘だと思って読みましょう。特に見出しは新聞社の思惑が強く反映され過ぎているので要注意です。

話を元に戻すと、世界の実態経済や金融市場に多大な影響があるアメリカの長期金利ですが、今年3月の中旬に2.6パーセント辺りに高騰したのち、その後急低下。そしてまた2.3パーセント周辺まで戻して来ています。とは言っても、歴史的な低金利ですから、今後は少しづつ上がって行く、ただし景気はそれほど良く無いという思惑から、FANGと呼ばれる世界的な超優良株が買われており、PERで見ると、Facebookが39倍、Googleが31倍、AmazonやNetflixに至ってはそれぞれ181倍と192倍と長期の平均値である14倍と比較すると、明らかにバブル気味です。今後の長期金利の上昇過程で、このような現在の超人気銘柄が下落に転じる時、相場も大きく調整するのではないかと言うのが、平山さんの見方でした。

皆さんも、毎日の株価や為替に一喜一憂する事なく、アメリカの長期金利の動向をしっかり見るように致しましょう。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
株式会社パリミキアセットマネジメント
代表取締役社長 運用統括責任者
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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