★「大脳化する世界」

2022年01月13日

IMG_5660 - コピー.jpg皆様あけましておめでとうございます。

2年前に武漢でコロナウイルスが発生した当時、2022年の1月時点でも未だに世界的な騒ぎが続いているというのは正直想像できていませんでした。ただ、スペイン風邪のケースでも終息に3年かかったそうですから、もう一年は我慢しなければいけないのでしょうね(ただし、スペイン風邪のケースでも2年目がピークで、3年目は随分と収まったようです)。

様々な大きな影響を、世界規模でもたらした今回のパンデミックですが、私が一番びっくりしたのが、あれほどグローバリゼーションでフル回転していた人、モノ、情報の流れ、特に人の流れが、これほど見事にストップしてしまう事態が現実に起こるということでした。確かに相当の対応は必要なものの、今回のような極端なパンデミックに至ったのにはいくつかの理由があったと思います。

ひとつにはメディアの変化です。特に昨今のインターネットの特徴として、リコメンド機能があります。例えば、アマゾンで本を買うと、似たような内容の本が次々と推奨されることがあります。あるいはYouTubeやネット検索でも、同様の内容のものを上位で推奨してくるというシステムです。このため、人々は似たような価値観の情報だけに囲まれることとなり、本来正解は中間にあるはずなのに、それぞれの人間が自分の考え方こそが正しいと極端な思考に洗脳されて、対立が激化してしまうのです。新型コロナのケースでも、極度の悲観論と、極度の楽観論が対立していましたが、今回は、この悲観論とマスメディアが結びつき、かなり極端な世論を世界的につくりあげてしまったように思います。

さらに、ウイルスへの過剰反応を生んだもう一つの理由があると思います。現代人は、人間にとって快適な、理想的な空間や社会をつくりあげることに成功しました。それは人間の想像力、つまり「大脳」が創り出した社会で、すべて人間がコントロールできる空間です。住居も仕事場も年中快適で温度調整が行われ、住居はバリアフリー、仕事場もフラットです。そして、そこでは、人間がコントロールできない「自然」的なもの、不都合なものは全て排除されています。考えてみれば我々人間も生き物ですから「自然」のはずなのですが、生死にかかわる時や病気になった時は病院に追いやられ、また日々の肉や魚の加工や、さらには自らの排泄物も、生臭い「自然」的なものはすべてきれいに処理され、見ないで済む社会になっています。そのため、部屋の中に虫が一匹でもいたとすれば、多くの人が「異物」として認識し、早々に駆除しようとするでしょう。本来、この地球上で、虫がいる空間こそが正常で、人間が創り出した空間の方が異常なのですが…。

いろいろ陰謀論まで飛び出した今回の世界規模のパンデミックでしたが、新型コロナは地球的には「正常」でも、人類にとっては巨大な「異物」として映ったため、皆が過剰反応したというのが、真相のような気がします。

そもそも地球に生命が誕生してから38億年、生物に大脳が誕生したのはごくごく最近のことです。でもそれまでの生物は、大脳無しで、環境の変化を感じ、判断し、生きながらえてきたはずです。むしろ、大脳以前の脳や感覚器官の方が、生死にかかわったり、全体のバランスを感じたりと大事な役割を担ってきた分、「直感的に」正確な判断が出来てきたと考えるべきでしょう。しかし、大脳は論理的でかつ利己的なだけに、一見正しい判断をしそうに思えますが、実態と大きくかけ離れたり、間違ったりすることも多いようです。

人間の大脳がつくり上げたという点では、金融市場はまさにその典型でしょう。実際、「論理的」かつ「利己的」だからこそ、欲に絡んだ理屈が横行し、実態と大きな隔たりのある過剰や過小な評価を生み、極端な価格になる間違いが頻繁に繰り返されています。しかし、そここそが投資の醍醐味です。直感的な視点から行き過ぎた状況を把握できれば、大きな投資チャンスになるのです。

我々も、論理的な思考だけでなく、正しい直感力を駆使できる優れたファンドマネージャーを厳選し、さらに優れた成果を上げていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

多根幹雄
執筆者
多根幹雄
クローバー・アセットマネジメント株式会社
代表取締役社長 運用統括責任者
スイス、ジュネーブに1999年から9年間駐在し、グループ企業の資金運用を担当してきました。その間、多くのブライベートバンクやファミリーオフィスからの情報により、世界18カ国100を超えるファンドマネージャーを訪問。実際投資を行う中で、良いファンドを見極める選択眼を磨くことが出来ました。また当時築いたスイスでのネットワークが現在の運用に大いに役立っています。また、大手のメガネ専門店チェーンの役員として実際の企業の盛衰も経験し、どんな時に組織が良くなり、また悪くなるかを身をもって体験しました。そこから、どんな企業やファンドにも旬や寿命があるというのが持論です。その為、常に新しいファンドを発掘し、旬のファンドに入れ替えを行うことで、長期で高いパフォーマンスを目指しています。

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