昭和時代の忘れ物

2021年1月14日(木)

日の出 小.jpg皆様、あけましておめでとうございます。

昨年は新型コロナとその報道に翻弄された一年でしたが、今年に入っても、感染者が増加した、変異種が生まれたりとショッキングな報道がまたしても増加して来ました。しかし、コロナも生き物だとすると、感染した母体が死んでしまうと元も子もないので、変異を繰り返しながら、より感染力を上げ、毒性を弱め、最終的には共生しえるようになっていくというのが進化の法則だと思います。実際、我々の体内にはおびただし細菌やウイルスが、そんな試行錯誤を経て共生しています。ですから、感染予防はしっかりしつつも、のびのびとした生活を心掛け、免疫性は維持していきましょう。

ところでこの年末年始、最近話題になっている「鬼滅の刃」を見てみました。興行成績でもあの「千と千尋の神隠し」を抜いたということで話題になりましたね。あまりにもむごいシーンが多いのには閉口しましたが、ひとつ気に入った点もありました。主人公の炭治郎は炭焼きの少年でしたが、妹のため、想像を絶する剣術の修行を行います。どれだけ努力しても、努力してもなかなか認められないということを、二年間も繰り返す中で、遂には岩を真っ二つに切るまでに腕を上げます。この壮絶な修業シーンに私は「昭和」を感じました。そういえば、かつて昭和時代に流行ったアニメの多くは「スポ根」もので、主人公は血のにじむような努力を繰り返し、負けても負けても這い上がり、戦って、戦って、そし映画興行成績.jpgて成功を勝ち取っていました。しかし、平成の時代に入って日本で流行ったアニメは、ジブリやディズニー、新海誠監督の「君の名は」など、やさしく、可愛く、美しい作品が多かったように思います(平成のアニメ映画興行収入ランキング参照)。ヒットの理由が、「鬼滅の刃」の自分の限界を超えて努力して、努力しつくす根性と、厳しい戦いを勝ち残って生きていく激しさに、今の日本人が共感したからだとすると、これからの日本も大きく変わっていくのではないか...そんな期待をさせる作品でありました。

またスポーツでも私が注目した事件がありました。スポーツ界もオリンピックが延期となり、様々なイベントが中止や、無観客での開催になるなど試練の一年でしたが、その中で私が驚いたのが、ソフトバンクが日本シリーズで4連勝して優勝したことです。しかも、2年連続でした。相手が高校生ならいざ知らず、プロで、しかもセリーグの一位のチームですから、2度も4連勝したというのは何かあるはず、と思わずにいられませんでした。

そんな時目に入ったのがあるスポーツ記者のコラムでした。それによると、王貞治さん(現球団会長)が1995年にソフトバンクの監督に就任以来言い続けてきたことが「練習で120%のスイングをして、やっと試合で100%のスイングができるんだ」ということで、キャンプでは腹がよじれるほどのスイングを求めたそうです。他の球団は練習では比較的リラックスして、本番で100%の力を出そうとするわけですが、流石に日本シリーズのようなしびれる場面だと、それでは本来の力が出せず、大きな差となって現れたということのようです。

「24時間戦えますか」というCMのキャッチコピーが流行語大賞になったのが89年、つまり昭和最後の年でした。平成の30年間、日本の国も企業も「競争」はしてきたけれど、「戦う」ことをすっかり忘れていたのかもしれません。その違いは、「競争」は負けても死なないけれど、「戦い」では命を失うということです。だから勝つために、死に物狂いで努力するのです。令和の時代、我々に求められているのは、そんな自分の限界を超えるような、ひたむきな努力の様に思います。そんな努力を自らの為ではなく、より多くの人々、世界の為に行える日本人が増えれば、きっと素晴らしい時代となるでしょう。クローバーとしてもそんな経営者や企業を応援すると同時に、我々も是非その一人になりたいものです。

今年が皆様にとって益々素敵な一年でありますように。

Mikio3.jpg多根 幹雄